
禅(ぜん)の心とは―。福井新聞「こども記者」活動は9月28日、曹洞宗(そうとうしゅう)の大本山永平寺(だいほんざんえいへいじ)(永平寺町志比(しひ))の新しい宿泊施設(しゅくはくしせつ)「柏樹関(はくじゅかん)」を取材した。永平寺を開いた道元禅師(どうげんぜんじ)は座禅(ざぜん)を重んじ、毎日の食事も大切な修行(しゅぎょう)と説いた。記者6人は身体と呼吸(こきゅう)、そして心を整える座禅を体験。食材を無駄(むだ)にすることなく、一生懸命(いっしょうけんめい)作られた精進(しょうじん)料理をいただいた。(山口晶永)
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木の香(かお)り漂(ただよ)う柏樹関は、永平寺認定の「禅(ぜん)コンシェルジュ」6人が常駐(じょうちゅう)しているのが特徴(とくちょう)で、この日は特別に総支配人の志賀敏男(しがとしお)さんから座禅を教わった。畳(たたみ)の部屋には座禅用の丸い座布団。互(たが)いにお辞儀(じぎ)をし、足を太ももに引っかける形で座(すわ)ってみた。すると「足が痛(いた)い、無理だ」。志賀さんは「力を抜(ぬ)いて、リラックス。おしりと両膝(ひざ)の3点で体を支(ささ)える感覚で」とこつを教えてくれた。
姿勢(しせい)については「体を左右に揺(ゆ)らしながら中心線を探(さが)していきます」とアドバイス。頭のてっぺんが引っ張(ぱ)られたように記者たちの背筋(せすじ)はピンと伸(の)び、合わせて呼吸(こきゅう)も静かに整えていった。「目線は斜(なな)め下45度に落とし、眠(ねむ)らないよう半目にして」と志賀さん。「いろんなことが頭に浮(う)かぶけれど、それを受け流すような気持ちでね」
修行僧の座禅は1度で40分だが、今回は5分間。足がしびれて顔をしかめる場面もあったけど、その表情(ひょうじょう)は少しずつ穏(おだ)やかに、そして引き締まっていった。角井美咲(かくいみさき)記者(越前市万葉中)は「厳(きび)しい姿勢のはずなのにリラックスできました。いろいろな音が聞こえ、どこか気持ち良かった」と振(ふ)り返った。