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こども記者の記事

こども記者 鯖江・うるしの里へ 漆器の美 知った触れた 地道で丁寧、さすが職人技

掲載日:2017年05月28日
伝統工芸士の実演を見学するこども記者たち。地道な作業に職人の誇りがにじむ=5月13日、鯖江市うるしの里会館(新谷貴之撮影)

 福井県の伝統工芸の一つ、越前漆器(えちぜんしっき)。鯖江市(さばえし)うるしの里会館を舞台(ぶたい)に繰(く)り広げられた今回の福井新聞「こども記者」活動では、職人の技を間近で見学した後、漆器(しっき)を彩(いろど)る技法の「沈金(ちんきん)」にも挑戦(ちょうせん)し、奥深(おくぶか)い越前漆器(えちぜんしっき)の世界に触(ふ)れた。(宇野和宏)
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 最初に越前漆器(えちぜんしっき)の歴史を説明してくれたのは、越前漆器(えちぜんしっき)協同組合の大久保諭隆(ゆたか)さん(48)。約1500年前、継体天皇(けいたいてんのう)が皇子(おうじ)のころ、壊(こわ)れた冠(かんむり)の修理を、ここ河和田地区の職人に命じ、出来栄えに感動して漆器(しっき)作りを勧(すす)めたと言われる。「全国に漆器(しっき)産地は約30カ所ありますが最も歴史が古いのが河和田です」
 漆器作りは大きく分けて▽木を削(けず)ったり組み合わせたりして、お椀(わん)や重箱などの形にする木地作り▽漆塗(うるしぬ)り▽模様(もよう)を描(か)く加飾(かしょく)―の3工程がある。それぞれ専門(せんもん)の職人が分業で一つの商品を作っている。
 漆塗(うるしぬ)りは「下地(したじ)」「中塗(なかぬ)り」「上塗(うわぬ)り」など9回程度の塗(ぬ)りを重ねる。特に下地が重要で、漆器(しっき)を丈夫(じょうぶ)にし、上塗りをきれいに見せる役割(やくわり)があるそうだ。作品が仕上がると下地の部分は隠(かく)れてしまうが、大久保さんは「職人さんは『人生と漆塗(うるしぬ)りは下地が命』と言います。見えないところで努力することが大切なんですね」と語りかけた。
 記者たちは、伝統工芸士が技を実演している「職人工房(こうぼう)」を見学。角物木地師(かくものきじし)の山口怜示(りょうじ)さん(79)が紙やすりで箸(はし)を研いでいた。一本一本丁寧(ていねい)に磨(みが)き、表面を滑(なめ)らかにしていく。地道な作業だが「きっちり磨(みが)かないと、この後、漆(うるし)を塗(ぬ)った時にきれいに輝(かがや)かないんだよ」
 別の部屋では、角物塗師(かくものぬし)で越前漆器(えちぜんしっき)伝統工芸士会会長も務める多田幹雄(ただみきお)さん(75)が、お盆(ぼん)を紙やすりで磨(みが)いていた。飲食店で使われていて、修理のため戻(もど)ってきたという。「傷(いた)んでも塗(ぬ)り直して使えるのが漆器(しっき)の良さ」と多田さん。「受け継(つ)がれてきた技をしっかり残していきたい。みんなも漆器(しっき)でご飯を食べてね」と呼(よ)びかけた。
 最後に参加者は「沈金(ちんきん)」に挑戦(ちょうせん)。沈金(ちんきん)は漆塗(うるしぬ)りの表面を「のみ」で彫(ほ)り、接着のための漆(うるし)をすり込(こ)んだ後、金や銀の粉や顔料を付ける技法だ。記者たちは事前に描(か)いてきた富士山や桜、バラの絵を手鏡や皿に転写。練習用のプラスチック板で、のみに慣れた後、絵に沿(そ)って彫(ほ)っていった。「鉛筆(えんぴつ)を持つようにね」「しっかり『傷(きず)』を付けないと漆(うるし)が入らないよ」。伝統工芸士の佐々木貢(ささきみつぐ)さん(77)の指導の下、慎重(しんちょう)に彫(ほ)り進め、30分ほどで絵が完成した。
 佐々木(ささき)さんに漆(うるし)を塗(ぬ)ってもらった後、最後の工程の粉入れ。綿に金粉を付け、すり込(こ)み、ティッシュで拭(ふ)き取る。真っ黒な“キャンバス”に華麗(かれい)な図柄(ずがら)が浮(う)かび上がると、記者たちに笑顔が広がった。

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