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こども記者の記事

こども記者 福井の老舗企業取材

掲載日:2017年04月23日
しょうゆを貯蔵するタンクの前で相馬社長(左)の説明に耳を傾けるこども記者たち=3月27日、福井市中新田町のフク醤油(杉本哲大撮影)

しょうゆ造りって大変だ

仕込みを見学、味比べも

 日本人の食生活に欠かせない、しょうゆ。主な味付けから隠(かく)し味まで、和食を中心にさまざまな料理に使われている。この風味豊かな調味料はどうやって造られるのだろう。こども記者6人が、来年で創業(そうぎょう)100年を迎える老舗企業(しにせきぎょう)「フク醤油(しょうゆ)」(福井市)を訪(おとず)れ、しょうゆ造りの現場に密着(みっちゃく)した。(宇野和宏)【こどもタイムズに関連記事】

 「しょうゆの原料って知ってる? 大豆と小麦と塩だよ」。記者たちを笑顔で迎(むか)えてくれたのはフク醤油(しょうゆ)の相馬務(そうまつとむ)社長(50)。しょうゆができあがるまでの工程を紹介(しょうかい)したビデオを見て予習した後、早速、作業場へ向かった。
 隣(となり)の人の声が聞こえないほど大きな音が響(ひび)く作業場では、ベルトコンベヤーの上を蒸(む)した大豆が流れ、煎(い)って細かく砕(くだ)いた小麦と種麹(たねこうじ)(麹菌(こうじきん))が混ぜ合わされていた。コンベヤーの向かう先は麹室(こうじむろ)と呼(よ)ばれる直径7メートルの円形のタンク。「しょうゆ造りで最も重要な場所」(相馬社長)だ。
 室の中では、混ぜ合わせた原料を43時間寝(ね)かせ、麹菌(こうじきん)を繁殖(はんしょく)させて、しょうゆの元になる麹(こうじ)を作る。微生物(びせいぶつ)の麹菌(こうじきん)が活発に働くよう、温度や湿度(しつど)を細かくコンピューターで管理。菌(きん)が作り出す酵素(こうそ)が大豆や小麦を分解し、独特のうま味や香(かお)りを生みだす。
 できあがった麹(こうじ)に塩水を混ぜ合わせたものが諸味(もろみ)だ。屋外のタンクで約半年間じっくり発酵(はっこう)、熟成(じゅくせい)させる。「しょうゆ造りの原理は機械化が進んでも昔からそれほど変わりません。深い味わいを生むには長い時間が必要なんです」と相馬社長が語りかけた。
   ◆  ◆  ◆
 熟成(じゅくせい)した粘り気の強い諸味(もろみ)は、布に薄く伸ばして包み、約3メートルの高さまで重ねていく。それ自体の重さで圧力をかけて搾り出した液体が「生揚(きあ)げしょうゆ」だ。3日後には、約1・5メートルにまで圧縮されるそうだ。こども記者たちは諸味に布をかぶせる作業を体験。地道な手作業が味を引き立てていることを実感した。
 生揚(きあ)げしょうゆは、熱を加えて麹菌(こうじきん)の働きを止め、砂糖(さとう)などで味を調節してペットボトルに詰(つ)める。以前はガラス製の瓶(びん)が主流だったが、フク醤油(しょうゆ)は昨年から、割(わ)れにくく、持ち運びしやすいペットボトルに切り替(か)えた。時代の変化に合わせ、消費者ニーズに対応している。
 こども記者は、搾(しぼ)りたてのしょうゆや濃口(こいくち)、薄口(うすくち)など6種類を味比べて「搾(しぼ)りたてはしょっぱい」「こっちは甘いぞ」。薄口(うすくち)は色が薄(うす)いという意味で、塩分は濃口(こいくち)より高いことも教わった。色が薄(うす)いため、素材の色を生かす煮物料理に向いているそうだ。
 フク醤油(しょうゆ)は、福井県産の梅やラッキョウを使ったドレッシング、しょうゆを練り込んだ羽二重餅(はぶたえもち)、洋風のソースなどさまざまなアイデア商品を開発している。食生活の多様化で食卓(しょくたく)でしょうゆを使う場面は減っているが、相馬社長は「商品には自信と誇(ほこ)りを持っています。いろいろな調味料があるけれど、しょうゆや和食に親しんでくださいね」と呼(よ)び掛けていた。

やりがいは?苦労は? インタビュー挑戦

 取材を終えたこども記者は、専務の奈良本博(ならもとひろし)さん(56)、製造責任者の高野恒一(こういち)さん(47)にインタビューした。
 記者 しょうゆを造っていて一番うれしいのはどんなときですか。
 高野さん 普段(ふだん)、工場内にいて、お客さんと話す機会は少ないですが、工場内の直売所などで「おいしいね」と言われると一生懸命作ってよかったなと思います。
 奈良本さん 県外に嫁(とつ)いだお客さんが「慣(な)れ親しんだしょうゆがいい」と、うちの商品を取り寄せてくれたときはうれしかったです。
 記者 しょうゆ造りで大変な作業は。
 高野さん しょうゆ造りは麹菌(こうじきん)の働きが重要です。麹菌(こうじきん)は微生物(びせいぶつ)、生き物ですから、きめ細かい管理が欠かせません。機械任せにせず、人の手や目で確かめ、真心を込めて造るようにしています。

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