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こども記者 国内唯一のメーカー(永平寺町)取材 「世界のハープ」誇り 精巧彫刻、曲線美に感動 手ほどき受け演奏も

掲載日:2016年08月28日
鎌野さん(左)の演奏に耳を傾けるこども記者たち=永平寺町松岡吉野堺の青山ハープ(杉本哲大撮影)

 大きな曲線を描(えが)く優雅(ゆうが)な姿(すがた)と優(やさ)しい音色が、聞く人をとりこにする楽器「ハープ」。今回の福井新聞「こども記者」活動は、国内で唯一(ゆいいつ)、ハープを製造している永平寺町の「青山ハープ」を取材。工場を見学したり、プロハーピストの演奏(えんそう)を鑑賞(かんしょう)したりして、世界中の一流奏者から愛される製品の魅力(みりょく)を探(さぐ)った。
(宇野和宏)【こどもタイムズに関連記事】



 ハープを量産しているメーカーは世界でも数社しかなく、日本では8~9割(わり)、世界でも2~3割のプロやアマチュア奏者(そうしゃ)が、青山ハープで生産されたハープを使っているという。世界最高のオーケストラの一つ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(かんげんがくだん)の奏者も愛用しているそうだ。
 国内唯一の生産工場が福井にあるとは意外だが、こども記者たちを出迎(でむか)えてくれた青山憲三(あおやまけんぞう)社長(77)は「もともと楽器の修理などをしていた私(わたし)の父親が、ハープの音色に魅了(みりょう)されて1952年に作り始めたんです」と教えてくれた。
 こども記者たちは青山社長の案内で、普段(ふだん)は公開していない製造工場に“潜入(せんにゅう)”。この会社では、高さ2メートルほどのグランドハープ、中型のアイリッシュハープ、さらに小さいサウルハープを製造している。材料となる木材の加工には大きな機械を用いるが、弦(げん)を張ったり、支柱や枠(わく)に美しい彫刻(ちょうこく)を施(ほどこ)したりするのは職人による手作業だ。
 工場の一角には、アメリカやカナダから輸入したメープル材(カエデの木)やシトカスプルース(松の木)が積まれていた。良い音が響(ひび)くよう、木材は約10年間、乾燥(かんそう)させる必要がある。青山社長は「北陸は湿気(しっけ)が多いから本当は木製の楽器作りには向いていない」。以前は工場を県外へ移転することも考えたそうだが「こつこつと一生懸命(いっしょうけんめい)に取り組む福井の人の気質はものづくりに適している。だからこれからも福井で作り続けるよ」と話してくれた。

◆  ◆  ◆

 この後、会社1階にあるホールに移動。県内外で公演を行っているプロ奏者の鎌野太津子(かまのたづこ)さん(48)=福井市=が「千の風になって」などを披露してくれた。心癒(い)やされる音色に子ども記者たちはうっとりと聴(き)き入っていた。
 ハープには47本の弦が張ってある。足元には七つのペダルがあり、ペダルの踏(ふ)み方で半音上げたり、下げたりできる。鎌野さんはペダルを使って、美しい和音を響(ひび)かせる「グリッサンド」と呼(よ)ばれるハープ独特の奏法を実演。「ハーピストは両手だけでなく、両足も休みなく動かしているから、けっこう忙(いそが)しいんですよ」
 子ども記者たちは実際にハープの演奏に挑戦(ちょうせん)した。最初は指の使い方がぎこちなかったが、鎌野さんの手ほどきを受けるとすぐに上達。半田花奏記者(順化小4年)は「弦は固くて大変だったけれど、きれいな音が出せて楽しかった」と笑顔を見せた。
 高校時代からハープに親しんでいるという鎌野さんは「楽器を抱(かか)えるように持ち、一心同体で演奏できるのもハープの魅力の一つかな。福井でこんなすてきな楽器を作っていることを知っておいてくださいね」と語りかけていた。

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